彩元堂看板

 日記  (2016年6月)

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2016年6月27日

 先日のグラス2Hオークションも多くの方にご入札いただけて本当にありがたい限りですっ。ご参加くださった皆さま、オークションの様子を気にかけてくださった皆さまに心より感謝申し上げます〜。

 今日、いよいよ八丈島に向かいますっ。このサイトは出先から更新できないので(作りが古いんで...汗)、当サイトでの「境界」開催前の更新はこれが最後になると思います。 
 境界作品紹介のラストは「魚石」。



魚石

↑「境界」に並ぶ魚石たちです。
下段に見慣れないのが...。










魚石

「魚石(sp. F, 3匹入)」

“ 通常、魚石類はこの石の中にはペアと思われる2匹の魚が棲んでいますが、
この石には3匹一緒に暮らしています。
sp. F では石の中に多数の魚が棲んでいる事例がいくつも見つかっており、
この種だけは複数個体が共同生活するという変った習性を持っているものと思われます。”

石質部分の黒い[ sp. F ]は今回この1点だけ。





魚石

「魚石(sp. F, 6匹入)」

“ この石はサイズも大きく、中には成長段階の異なる6匹もの魚が一緒に暮らしています。
複数個体が共同生活するという変った習性を持つ sp. F ですが、
これほど多くの魚が入っている石は非常に稀です。”

これまで発見されているものの中で最大の魚石。
大きい石といっても幅35mmくらいですが、実測値よりなんだか大きく見えます。

ちなみに「魚石」は何でもありの空想系なので大きくしてもルール破りじゃないです。
sp. F は“ちょっと変った生態を持つ魚石”という設定で登場させた種でした。



魚石(青い魚)

「魚石(青い魚)」

“ 魚石類の魚にはいくつかの種類が存在していますが、
この青い魚種に関しては詳細が全く不明で謎だらけです。
この石が発見されたのは自然下ではなく、ある大学の古い標本室です。
この石は標本ラベルが紛失していていつ誰がどこで採集したものなのか全く判らず.....(略)”

この子はいったいどこの誰?
標本にとってラベルという紙切れがどれだけ重要か、っていうお話(笑)


 作品の前や図録に付いているQRコードをスマホでピキョリンと読み込むと、その作品の解説や写真(5枚)が見られるようになってます。全然知らなかったんですが、スマホってQRコードリーダーが標準で入ってない物が多いんですね。私も今回のためにiPhoneにアプリをダウンロードして初めて使ってみま したが、思った以上に簡単便利でした。会場にお越しの際はQRコードの読み取りアプリのチェックを。 
 あと、この展覧会では作品の写真撮影が禁止みたいです(詳しくはCo展を御覧ください。展覧会ってだいたい撮影禁止が多いですね...)。なのでマクロ撮影してから拡大表示して作品の細部を観察っていうあの技は使えません〜。

 とんぼ玉硝子芸術展覧会「境界」、いよいよあと4日で開催です。それでは、八丈島でお待ちしております。




2016年6月22日

 八丈島の展覧会「境界」もいよいよもうすぐ開催です! まだまだやることが色々あってギリギリまでバタバタしてます(汗)。もうちょっと頻繁に日記をアップしたかったんですが....。さてさて「境界」作品の紹介の続き、もう一気にお見せしますね〜。
 満天望の「自然の催し」には「自分に課している創作の制約を取り払って自由に作った作品も出してください〜」と軽くお願いされたんですが、下手すると作風というか世界観が崩れてしまいそうでかなり悩みました。普段はこんなお願いを承諾することは絶対ないんですが、わざわざ八丈島まで来てくださる皆さまに たっぷり楽しんでいただくためなら....と、なんとか微妙にルール破りをやったのが以下の作品です。


一粒の海(大玉)

「一粒の海(大玉)」

前に抽選販売に一個出したものと似てますが、
こっちは裏面にシンデレラウミウシ(とその卵塊)が入ってより賑やかになってます。
 

 この「一粒の海(大玉)」はマイルールの「トンボ玉の大きさは30mm以下に...」を破って大きな玉を作ったもの。制作してみると大きな玉って表現の幅が広くてこれはこれで結構良いかも...って思い直しまして、今後の創作にも影響しそうな感じです(汗)。

 そしてこの作品、もう一つちっちゃいルールを破っています。この自然環境系に属する玉、やや扁平な形状なのですが.....。実は、私の空想系以外のトンボ玉作品は“球体〜回転楕円体”形状と決めています。凸凹玉の「一粒の潮だまり」も基本的に球体のベースに岩場とフジツボをくっつけてあの形です。一 方、「バベルの塔」・「魚石」・「ペルム紀幻影」などの回転体じゃない形状のトンボ玉は全て空想系に属する作品となっています。もともと空想系だけは「何 でもあり」がルールです(なので空想系は逆にルール破りが難しい....)。



イモリのトンボ玉

「木漏れ日に漂う(大玉)」

この玉も同様のルール破りをやってます。
「大玉」というほどじゃなくてホントは「中玉」くらいです(笑)。
この作品、表側の構図は敢えて通常版と同じになってます。
贅沢に空間を使って水場の広さやイモリのゆったり感を表現したくて...。
これも大玉ならではの見せ方ですね。

この裏側にはシリケンイモリが求愛行動してるところを作ってます。
(オスがメスの前で尾を振ってる場面)



ヤマタカマイマイとキノコのトンボ玉

「雨あがりの森(大玉)」

「境界」ポスターに使われてる作品がこれ。
オキナワヤマタカマイマイが2匹、裏にはヤンバルヤマナメクジが1匹入った大玉。
50点の境界作品の中で一番長径が大きな作品ですが、それでも高さ36mm程度。


それにしても構成パーツ数を少し増やしただけで作品の成功率がどんどん下がり...
制作は思った以上にしんどかったです(汗)。




白いナマズ

「バイカモの陰で(白鯰)」

自然下で時々見つかるナマズの白色個体。神々しいですね。
これまではこういった稀な変異で注目されがちな題材は避けていたんですが、
今回のルール破りの「境界」を期に制作してみました。
今後、「バイカモの陰で」の変異バージョンとして稀に作ってもいいかも...。







粘菌とトビムシの玉

「深林の底に(筒型)」

これも形状ルールを無視した作品。
朽木をズバッと切って断面がそのまま見えてる感じのデザイン。
朽木玉でこの表現、やってみたかったんです(笑)。
原生粘菌のタマツノホコリや粘菌のヘビヌカホコリ、裏側には若いシロウツボホコリも。







ヤマナメクジとキノコ

「六月の森の底に」

表側はヤマナメクジとキノコの「六月の森」の俯瞰バージョン。
裏側は粘菌とトビムシの「深林の底に」の朽木環境です。
2つの作品をくっつけて遊んでる感じのデザインですが、
これは森の倒木の上面と裏面で活動している生き物たちの姿を表現した、
一本の苔むした倒木環境がテーマの真面目な自然環境系作品です。

ただ、表側と裏側で生き物の縮尺がちょっと違うので
「玉の中の生き物の縮尺を統一する」という基本ルールを破っています。
(玉の表面の装飾的な生き物にはもともとこのルールを課していません)
ナメクジさんは体長15mmくらいの透明感のある幼体がモデル。

後になってから気づいたんですが、生まれたての数mmの稚ナメクジを主役にしたら
縮尺ルールを破らずにトビムシとナメクジを合わせられたんですね(汗)。
小さいキノコなんて沢山あるし...。
 

 以上、「境界」での主なルール破り作品たちはこんな感じです〜。
 

  そして明日23日は今月のグラス2Hオークションの入札日ですっ。いつもより 2日ほど早いですが、「境界」の準備の関係だと思います。今回私が出品した作品は「境界」がらみの2点。というか、他に並んでいる出品作品も「境界」関係 のモノがほとんどです! いや、別に裏で何か示し合わせがあった訳じゃないので「おおっ!」って思いました。盛り上げてますね〜。

 ではでは、私のオークション作品を紹介します。


白鯰の雫

「バイカモの陰で(白鯰の雫)」
白いナマズさんの雫型作品。
オークション用の特別制作です。






白鯰の雫

バイカモの間をぬって川の深みに向かって泳ぐナマズ。
俯瞰じゃなくて横から見た構図です。

海袋と同じこの形状、トンボ玉版と違って奥行きがあって「水」感が良く出ます。
川環境なら通称「川袋」とか。 池環境だったら.....(いや、どうでもいい話でした)。




白いナマズさん  白鯰のペンダント

左:白いナマズさんは目がハッキリ見えて可愛いですね。
右:紐で提げたイメージ。ペンダントとしても良い感じだと思います。






そしてオークションにもう一点↓

ヤマナメクジのトンボ玉

「六月の森の底に」 第二号作品
このデザインでは2点のみ限定制作の作品になります。
(種構成をガラッと変えて別デザインの倒木環境作品としていつか再登場するかも...)






倒木環境



「境界」に出品される第一号よりもひとまわり小さく作った玉ですが、
透けて見えるヤマナメクジの内臓はこっちのほうが細かくて、消化管まで作ってあります。
小型化優先のためトビムシの脚は省きました(脚が見えないくらいのほうが本物っぽいし...)。


 今回のオークショ ンではなんと礒野さんもヤマナメクジ作品を出してますね! まさかのヤマナメクジ被りです(笑)。私と礒野さんは生き物の好みがとても似てるので、よく作 品に同じモチーフが登場します。礒野さんのヤマナメクジ作品の説明を拝見すると、表現方法は違いますが私も礒野さんも似たような“感覚”を伝えたくて作品 を創ってるような気がします。礒野さんのヤマナメクジもとっても可愛いですねぇ。
 「境界」では初めて礒野さんと私の作品がずらっと一緒に並ぶ事になりますが、似たモチーフやテーマを表現するためのアプローチの違いなんかにも注目するとより楽しんでいただけると思います。そして内田さんの本当に独特すぎる凄い感性と表現力! もう、個人的にこの展覧会が楽しみでワクワクしてます。

 それでは、明日(6月23日)のグラス2Hオークション、私の作品の入札終了時間は「バイカモの陰で(白鯰の雫)」が21:55、「六月の森の底に」が22:35です(自動延長あり)。 今回もどうぞよろしくお願いいたします!

グラス2Hオークション




忙しくて子供たちとあんまり遊べてなかったら、
「もうっ、とーとーのやくたたず! なんにもできないんだ!」
と息子にめっちゃめちゃに罵られたので(汗)

ここいらで父の能力を示すことに...。



ダンボールザメ

設計図無しでテキトウにダンボール切って折ってセロテープ貼って、
ちゃちゃっと数分でサメ完成っ(細かいヒレは省略)。

息子、大喜びです。
(息子は最近サメにハマってまして)



ダンボールザメ

おなか側。

いつの間にか立体整形が得意になってた自分にちょっと驚きつつ、
ダンボールって意外と簡単に立体物が作れる素材だってことを実感しました。
こういうお遊び工作、楽しいですねー。





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